中国国営新華社通信が5月9日、国有企業の中国石油天然ガス集団公司(CNPC)が、渤海湾に面する河北省唐山市の沿岸で、推定埋蔵量が10億トンの新油田を発見したと発表した。今世紀に入って発見された油田では最大級の規模である。しかもガソリンが多く取れる軽質油だというから、重質油に比べて価値は倍増する。この報に接した温家宝首相は興奮して寝られなくなったという。
カスピ海北岸のテンギス油田から、カザッフスタンにパイプラインを敷き、中国まではるばる東に石油を運ぶ計画はすでに一部実施されているが、今度は中国の国内でそれに匹敵する大油田が発見され、5年後には生産開始というのだから、米帝の打撃はこれを論評することさえできない深刻さである。世界の石油を買いあさり、油価高騰の引き金を引いてきたと非難された中国が、アメリカとの争闘でまた一つ有利に立ったのであり、その分アメリカは追いつめられたのである。
中国のエネルギーはまだ多くは石炭に依拠しているが、これによって石油が主流になることは明確になった。
石油は、世界の支配権をかけた戦略的物質である。その石油の支配が揺らいでいるアメリカがますますイラク戦争にのめり込み、安倍政権がどこまでもイラク派兵を続けることは明白だ。
それをやめさせるのは、全世界に響く No War! の叫びだけだ。