●イラク内務省部隊が虐待か スンニ派173人に
【カイロ16日共同】イラク内務省の治安部隊が、武装活動に関与した疑いでバグダッド市内の施設に収容していたイスラム教スンニ派の容疑者ら173人に、十分な食事を与えないなどの虐待を加えたり、拷問をしていた疑いが強まり、移行政府のジャファリ首相は15日、事実関係の調査を命じた。イラク駐留米軍が13日、内務省施設の地下室を捜索、栄養失調状態で衰弱した収容者を多数見つけた。
人口で多数派のシーア派が独占する内務省が宗派対立を背景に、スンニ派住民を違法に拘束し暴行しているとの訴えが、以前からスンニ派から上がっていた。虐待の詳細が明らかになれば、対立がさらに深刻化する恐れがある。
(共同通信) - 11月16日
●イラク内務省地下室、スンニ派?173人拘束し虐待
【カイロ=岡本道郎】イラク移行政府内務省構内の地下室でイスラム教スンニ派とみられるイラク人173人が不当に拘束され、拷問などの虐待を受けていたことが明らかとなり、移行政府は調査を開始した。
ジャアファリ首相が15日、記者会見で明らかにした。
ロイター通信などによると、地下室の存在は、行方不明家族の消息を求めるスンニ派住民からの訴えを受け、米軍が13日、バグダッドの同省庁舎内に立ち入り検査をした際に発覚。
内務省は、シーア派与党を構成する主要政党「イラク・イスラム革命最高評議会(SCIRI)」などの影響下にあり、庁舎内での自国民虐待行為の発覚は、国民和解を訴えてきた移行政府にとっては重大な失態で、スンニ派の反発は必至だ。
ジャアファリ首相は「被拘束者は栄養不良で、一部は拷問を受けていたようだ」と述べ、現在は全員が別の場所に移動し、治療を受ける予定であることを明らかにした。スンニ派最大政党「イラク・イスラム党」のアブドルハミド党首はAP通信に対し、「遺憾ながら被拘束者全員がスンニ派だ」と述べた。
スンニ派側は従来、シーア派民兵組織が武装勢力摘発を理由にスンニ派市民多数を拉致、殺害してきたと非難。移行政府は「被拘束者は旧政権関係者」などと否定してきた。
(読売新聞) - 11月16日
●イラク「国民和解」の虚構露見
スンニ派虐待 移行政府大失態
【カイロ=岡本道郎】 イラク内務省が拘束したイスラム教スンニ派とみられるイラク人的17〇人が拷問などの虐待を受けていた事実が15曰発覚したことは、シーア派主導の移行政府が掲げてきた「国民和解」の虚構の側面が浮き彫りになったと言える。12月15曰に国民議会選挙を控える移行政府にとっては大失態だ。
虐待の現場は、バクダッド市内に点在する内務省施設のうち、南西部ジャドリヤ地区にある庁舎の地下室。問題は、同省が、バヤーン・ジャブル内相を筆頭に、移行政府与党のシーア派政党連合「統一イラク同盟」の主要構成組織「 イラク・ イスラム革命最高評議会(SCIRI)」の強い影響下にあることだ。旧フセイン政権時代、 イランに亡命していた旧反体制組織SCIRTは、1月の暫定国民議会選挙でのシーア派勝利後、特に内相ポスト確保を主張。旧軍事部門「パドル軍団」の民兵が移行政府治安部門に浸透し、スンニ派主体の旧政権秘密警察やバース党員らに対する「血の復讐」を行ってきたと言われる。
今同、発見された被拘束者もこの旧政権関係者狩りの過程で、事実上、正当な手続きなしで拉致、拘束されたスンニ派市民とみられる。同派政党などが、シーア派主導の治安部隊の「職権乱用」を非難しても、移行政府は常にこれを否定してきた。こうした弁明を根底から覆す物的証拠が明らかになったことで、移行政府の正当性は大きく傷ついた。(読売新聞) - 11月17日
●この問題を告発してきたシバレイさんのブログを見よう。
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