パレスチナでイスラエルが隔離壁を作って占領地の分断支配を行っているのにならって、米軍が4月、バグダッド北部でそれを始めた。イスラム教スンニ派居住地区に長さ5キロメートル、高さ3・6メートルのコンクリートの隔離壁を構築した。壁の出入りは米軍発行のIDカードを持った者のみに限るという、住民を監獄情況に追い込む攻撃だ。
これに対して地元アザミア地区住民からの強い抗議の声が上がり、7000人の巨大なデモが起きた。あわてたイラク・マリキ首相が米軍に壁建設中止を要求するに至った。ブッシュ政権は増派した米軍をバグダッドに集中的に投入したが、ゲリラ攻撃は頻発し、バグダッド89地区中30地区を壁で分断する計画も頓挫してしまった。イラク市民および米軍の死傷者は今いっそう増え続けている。
学術調査団による本格的調査推計によれば、侵略・占領軍によるイラク人死者は最低でも10万人、ブッシュ大統領が初めて触れた数でも「3万人」。米兵の死者は3400人で、それも確実に日毎に増えている。
4月12日、米軍がもっとも厳重に管理しているグリーンゾーン内にあるレストランで自爆テロがあり、議員2人を含む8人が死亡、20人近くが負傷している。イラク国民議会内で起きている事件であり、アメリカおよびそのカイライたちに与えたショックは深刻である。
イラク・マリキ首相